歯への関心の高まりとともに、矯正治療を行う人が年々増えています。
にもかかわらず、どんな治療があるのか、どのような治療が行われるのか、ほとんどわからないまま治療に取りかかっている患者さんが多いのが現状ではないでしょうか。
家を建てることは一生で一度の大きな買い物だと言われますが、矯正治療も、一生に一度しか行わない大変な治療です。
せっかく矯正治療をしたにもかかわらず、治療の結果によっては、顎間接にいろいろな問題が生じ、
「治療してから、体調がおかしくなってしまった」
「せっかく治療したのに、何年か経過したら元のようにガタガタに戻ってしまった」
など、後悔の言葉を耳にします。
また、治療途中でも、
「治療に入ったら、歯科医師の態度が急に冷たくなった」
「何を質問してもいやな顔をして、面白くなさそうにする」
「他のクリニックに転医したい」
など、歯科医師と患者さんとの人間関係のもつれで、そのクリニックの選択を後悔している人の話もよく耳にします。
矯正治療は虫歯の治療と違って治療費も高額で、治療中は外見的にも違和感も多くあり、治療途中で転医することは難しい場合がほとんどです。トラブルが発生すれば、その代償が大変高くついてしまいます。
矯正治療の結果に満足できる人と後悔する人の分かれ道は、どこにあるのでしょうか?
それは、矯正治療前に、十分納得してから治療に取りかかっているかどうかが最大のポイントになります。
「インフォームド・コンセント」といって、患者さんに十分な説明をして、同意を得てから治療に取りかかるべきだということを、歯科医師のほうが十分気をつける時代になってきていますから、患者さんは、素人としてどんどん質問をしていくべきなのです。
そして一番お勧めしたいことは、面倒くさがらずに、少なくとも三つぐらいの歯科医院で治療相談を受けて、それぞれを比較してみてください。
わかりやすい説明をしてくれるか、患者さんの声に真剣に耳を傾けてくれるか、歯科医師・スタッフの対応、クリニックの雰囲気、治療期間、治療代、歯を抜くのか抜かないのか、過去の症例を見せてくれるか、院長の人間性など、十分メモを取って比較してください。
患者さんが少ない歯科医院では、
「とにかく今すぐ治療を始めないと、将来大変なことになりますよ」
などと、患者さんに考える時間を与えずに決断させようとする傾向があります。
矯正治療は、何歳になっても手遅れということはありませんので、患者さんの危機感をあおって、急いで治療させようとするようなクリニックは、一番最初に除外してください。
この本を読んでから治療相談に行けば、歯科医師の説明もよりわかりやすくなり、正しくクリニックを選ぶことができて、矯正治療に後悔することも少なくなると信じています。
本書を読み、矯正治療をしてよかったと思える日が来ることを念願しております。







