「よくわかる家庭の歯学」まえがき
「歯医者は嫌いだ」という人が世の中の大半を占めているのではないでしょうか。
しかし、歯科医院に行ったことがない人は、ほとんどいないでしょう。嫌いだし行きたくはないのだけれど、行かざるをえないという存在が歯科医院なのです。
縁を切りたくても、死ぬまで切れない関係ならば、歯のことをより多く理解して、歯科医に対するアレルギーを少なくし、予防知識を得て、歯科医にかかる頻度をできるだけ少なくすることが賢い選択ではないでしょうか。
毎日の簡単な手入れで、予防できることがかなりあります。また、歯の治療は、患者さんが考えているほど痛いことばかりではありません。
この本では、虫歯や歯周病から審美治療までの広い範囲の内容について解説しています。ほかの歯科医師に聞いても、これ以上のわかりやすい言葉で説明することは無理と思えるくらい、一般の人に理解しやすい言葉で説明するよう工夫を重ねました。
第一章では、歯を大切にすることにおいて誰もが知っておくべき虫歯と歯周病の基本的知識について説明しています。
第二章では、体に重大な影響を与える噛み合わせについてわかりやすく説明しました。
第三章では、歯を抜かないで早く治せる矯正治療について詳しく説明しています。
第四章では、審美治療とインプラントを受けようとするときの疑問点について解説しています。
読者の年齢や関心によって、どこからでも読み始めてかまいません。
そして年齢の違う家族がそれぞれ読んでも、必ずおのおのに興味のある項目があるように構成していますので、単なる読み物としてだけでなく一回に一冊、辞典のように活用できると思います。
この本が、あなたの歯が一年でも長持ちして自分の歯で一生過ごせることに役立ってくれるならば、私にとってこれに勝る喜びはありません。