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インプラント適応と不適応

インプラント治療は歯がないところに行う治療法です。どんな治療法でも同じことですが、その治療が向いているのか、向いていないのか、を判断する必要があります。

当然インプラント治療にも、向き(適応症)、不向き(不適応症)があります。判断基準はかなり多くありますが、大きく分けてお口の状態によるものと、お体の状態によるものとに分かれます。

お口の状態における判断基準

<インプラント治療が向いている状態>

・ブリッジを行う場合に、歯をかなり削らなければいけない場合

一度削った歯や、取り除いた神経は、戻ってくることはありません。また、人工物の下に虫歯を作ることも多々あります。隣の歯が、もしまだ削っていない状態であれば、なるべくインプラント治療をおすすめします。

・義歯(入れ歯)が苦手な方

入れ歯独特の不快感はかなり取り除けます。天然の歯の咬む能力を100とした場合、インプラントは80~90、入れ歯は10~30くらいと言われています。

また、異物感・痛みのでにくさ・清掃のしやすさ、などどの部分をとってもインプラント治療の方が優位なことが多いです。

・その他、不適応症にあたらない場合、または治療によってクリアできた場合

下記の不適応症にあたらない場合は、インプラントがブリッジや入れ歯よりも確実に良い治療と言えると思います。また、治療によって良い状態ができた場合も同じことが言えるでしょう。

<インプラント治療が向いていない状態>

※治療を行うことでインプラント治療が可能になることも多いです

・お口全体に重度歯周病がある場合

インプラントを支える骨の量が減ります。また、お口の中に歯周病菌が多数存在するのでインプラント周囲炎にかかりやすくなります。

・インプラント予定部の骨が大きく失われている場合

インプラントが長持ちするには、インプラント周囲に健康な骨が全周に最低2ミリ必要です。骨が大きく失われている場合にそれが達成できない場合があります。骨を足す治療法を併用するとインプラント治療が可能になることも多いです。

・インプラント予定部に隣接する歯、もしくはその周囲に感染がある場合

隣の歯に大きな虫歯や歯周病があるときはしっかり治療をしてからインプラント治療を行う必要があります。

・夜間はぎしり・くいしばりがある場合

夜間のはぎしりやくいしばりにおいては、普段思い切りかみ合わせをしたときよりも約5倍程度の力がかかっていると言われています。インプラントや天然の歯に過負担にならないように夜間マウスピースを使用する必要があります。また、定期的にかみ合わせの調節が必要になります。

・前歯がかみ合っていない開咬や反対咬合などの、歯並びの不整が強い場合

歯並びの不正が強い場合に、無理にインプラント治療をすると、インプラント部に力が異常に集中したり、磨き残しが出やすくなったり、いろいろな弊害が出てきます。インプラントのご希望があり、歯並びの不整が強い場合は部分的・全体的な矯正治療を行わなければならないときがあります。

・インプラント予定部のスペースが十分でない(歯がない部分に隣接する歯が寄りすぎている)場合

インプラントの直径は細いものでも3.5ミリ程度あります。また前後の歯とはそれぞれ最低1.5ミリ離す必要があります。それ以下だと骨が溶けてしまってインプラント周囲炎になってしまいます。

つまり理論上は、0.1ミリの誤差のない手術をしても、前後の歯との間に6.5ミリのスペースがないとインプラント治療は行ってはいけない、ということになります。

・顎関節症などで極端に口が開きにくい場合

インプラント手術だけでなく、後にかぶせものを作ったりするときにも、インプラント治療を行う場所にもよりますが、お口がしっかり開かないときは治療が不十分なものになってしまうことがあります。必要に応じて顎関節症の治療を行うことがあります。

・のちのちに矯正治療を考えている場合

インプラントは歯とは違って、矯正治療で動かすことはできません。上手く利用して矯正治療に役立てることができる場合もありますが、安易にインプラント治療を行うと、後の矯正治療の弊害になります。

お体の状態における判断基準

<インプラントが向いていない状態>

※治療を行うことでインプラント治療が可能になることもあります

・骨粗鬆症の方

骨の密度が下がる病気です。当然、骨と結合するインプラントには不利となります。また、お薬を内服もしくは注射されている方は抜歯などの外科処置も不可の場合があるので注意が必要です。

・糖尿病がコントロールされていない方

糖尿病と歯周病には強い関連性があることが知られています。歯周病があるとインプラント周囲炎も容易に起きやすくなるので注意が必要です。

ちなみに天然の歯と違って、インプラント周囲には骨に栄養を与える歯根膜という組織がなく、インプラント周囲の免疫力が若干低くなります。そのため歯周病が起こりやすくなる糖尿病は、インプラント周囲炎も起こしやすくなります。

・ヘビースモーカーの方

ニコチンには血管を収縮させる作用があり、血液の循環量が少なくなります。そのために組織が血液不足(栄養不足・免疫の低下)になります。インプラントや歯を支える歯ぐき・骨にも影響がでて、インプラント周囲炎となってしまいます。

・チタンアレルギーの方

めったに発症しないものですが、万が一アレルギーがある場合はインプラント治療は不可となります。

・血液疾患の方

血友病などの血液疾患の方は、正常な治癒をしない可能性があります。外科処置を行う際はかかりつけ医の指示のもとで行います。

・高血圧がコントロールされていない方

血圧が高い場合、手術によるリスク・心臓への負担などが大きくなります。また、止血なども行いにくくなり、麻酔薬も血圧変動の少ないタイプ(麻酔の効きが悪い・切れやすい)を使用しなければなりません。外科処置を行う際はかかりつけ医の指示のもとで行います。

・腎臓疾患のある方

腎臓はとても重要な臓器です。腎臓疾患がある場合は、外科後の治癒不全・高血圧・お薬の制限などが出てくることがあります。外科処置を行う際はかかりつけ医の指示のもとで行います。

・成長が止まっていない方(18歳以下)

顎の成長が終わっていない方は歯並びが変化しやすいので、安易にインプラント治療をしてしまうと後のかみ合わせ・歯並びの変化に対応できなくなります。

・悪性腫瘍などで化学療法・放射線治療を受けている方

放射線治療を骨に受けていると、外科処置後の治癒が悪くなります。また、化学療法に使用されるお薬の中には、外科処置不可のものもあります。外科処置を行う際はかかりつけ医の指示のもとで行います。

・歯科恐怖症の方

歯科恐怖症の方は、笑気麻酔下・静脈内鎮静下・全身麻酔下などにおいて、外科処置を行うほうが安全と思われます。大学病院などの総合病院をご紹介させていただきます。

▼「インプラント・ブリッジ・入れ歯の違い」内のコンテンツ

  1. インプラント適応と不適応
  2. ブリッジ・入れ歯とインプラントの比較
  3. ブリッジ・入れ歯について