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インプラントそのものに不安がある方

近年、インプラントのトラブルが多く知られるようになって来ました。その影響か、インプラントそのものが大丈夫なのであろうか、と考えられている患者様が増えてきています。

インプラントの成分・組成について

インプラントは純チタン製で、人工関節や心臓ペースメーカーにも使用されているような素材と同じものです。骨と強固に結合し、アレルギーの方もほとんどいない、軽くて丈夫な金属です。

チタンとインプラントの歴史も約半世紀と長く、インプラントの素材としては申し分なく、まったく問題ないものと言っていいでしょう。

ただし、当院では未使用ですが、HA(ハイドロキシアパタイト)をコーティングしたHAインプラントは、チタンインプラントに比べて予後が悪くなりやすいため、注意が必要です。

※参考記事 インプラントとは(チタンの特徴やHAインプラントについてなど)

お口の環境について

チタンは、他のどんな金属とも違って、骨と結合(オッセオインテグレーション)する性質があります。人工関節や歯のインプラントは、チタンだからこそできる治療法です。

そのチタンをお口の中で作用させるのですが、インプラント治療の大きな障害が2点、お口の中にあります。1つ目が、『お口の中には菌がたくさんいる』、2つ目が、『かみ合わせによる力が強くかかる』ということです。

口を含む消化管内は、体外に分類されるため、菌数が多い

口は胃や腸につながる消化器官です。実は、口~大腸の消化管の内部は体内ではなく体外とされています(体外とつながっているため)。体外である、消化管に特徴的なことのひとつに、菌がたくさんいる、ということがあります。

それでも、チタン自体、ほとんど劣化したりはしません。ただし、チタン表面に菌が付着してしまうことはあります(チタン表面の感染)。感染が深部に及んでしまった場合、インプラント周囲の骨に炎症が起きて、溶けていくことがあります。

かみ合わせの力は、ほぼ体重並みかそれ以上

また、かみ合わせの力は体重と同程度です。これが、夜間の無意識下でのはぎしりやくいしばりとなると、5~6倍の力になると言われています。この力はかなり大きなものであるので、正しいかみ合わせを作ったインプラントでも、はぎしりやくいしばりがあるとダメージを受けることがあります。

歯のインプラントはこういった苛酷な環境で機能していく必要があります。このことを術者も患者様も強く認識しておく必要があると考えております。しっかり認識してさえいれば、対策は十分にとれるし、対策が取れないほど過酷な状況であれば、インプラント治療は回避するべきです。

インプラント治療自体は、正しく使えばチタンの能力をフルに発揮できる、すばらしい治療法です。ただし、間違った使い方をすると、まず上手くいかない、難しい治療法でもあります。

患者様方は、インプラントそのものがどうだ、というよりも、インプラントを正しく使用しているかどうか、が重要だとお考えください。