自分の歯で一生過ごす為の7つの秘訣

磨く回数よりも磨く内容

毎食後にブラッシングをしているのに虫歯ができてしまう」とか「一日に何回磨けばいいのですか」といった質問を受けることがよくあります。
そういう質問に対する答えとして、たとえば家の掃除をするときに、例えとして一日中掃除機をかけたとしても、真ん中ばかりの掃除では、角のホコリや細かい汚れは取れません。

隅々まできれいにするためには、掃除機できれいにしにくい場合は、ゾウキンを使ったり補助的な細かい器具を使わなければなりません。
お口もそれと同じだと説明しています。

歯磨きも同じで、一日何回ブラッシングをしているという自己満足とか、歯磨き剤の爽快感を味わいたいのであれば、それはそれで結構ですが、虫歯や歯周病予防のために歯の汚れを取り除きたいのであれば、磨く回数が問題ではありません
一日一回夜だけでも十分な効果が期待できる場合もあります。

三分の適当な磨き方を三回するのなら、一日一回だけでも丁寧に細かい場所まで時間をかけてきれいにするほうが断然効果的なのです。
ブラッシングの回数や時間はあくまでも目安であって、それが正しい方法なら時間をかけただけの効果はありますが、間違ったやり方では、いくら時間をかけても意味がありません

試験勉強であまり大切でないところを一生懸命勉強している人は、いくら勉強時間をかけても合格点が取れません。
歯の磨き方もこれと同じで、歯の表面ばかりをきれいにしている人は、一日中磨いたとしても、虫歯と歯周病の予防には無意味なのです。

どこが試験に出やすい重要な部分なのかは、専門の先生に聞けばそのポイントを教えてくれます。
これと同じで、どこに汚れがたまりやすいかは、歯科医師、歯科衛生士などの専門家に教えてもらうのが一番です

食後にガムを噛むことの効果

食後にガムを噛むことは、虫歯や歯周病の予防のためにはとてもいいことです。
それは食事中に口の中が酸性になり虫歯になりやすい環境であったのが、ガムを噛むことで唾液が排出され、口の中の酸性のpHがより中性に近づくからです。

もちろんブラッシングできる状況なら、そのほうがより効果的ですが、外出先などで歯ブラシを持ち合わせていないときは、せめてガムを噛むことによって虫歯を予防しましょう。

その際は、キシリトール入りのガムでないと、逆に虫歯を促進してしまいます。
それは、食後にアメをなめるのはいくら唾液が出てもアメの糖分が口の中を酸性状態にしてしまうのと同じで、糖分を含まないキシリトールのガムである必要があるのです。

虫歯予防とフッ素の効果

フッ素キシリトールが虫歯予防に有効だということが、一般にも浸透してきました。
しかし、欧米などの先進国に比べて十年以上遅れてやっと浸透したという感じです。

今まで、日本は虫歯後進国といわれつづけてきました。
フッ素が虫歯予防に有効なことは、欧米などでの実績を見て分かってはいたのですが、多量のフッ素によって歯に白斑が出てきたり、大量に摂取すると体によくないという考えで、厚生労働省はなかなかフッ素の導入に踏み切りませんでした。
それが時代の流れで、虫歯予防にフッ素が当然のように使われてきて、虫歯の患者様は確実に減りました。

米国では、十人に一人は一本の虫歯もありません。
虫歯の人が減っているのは明らかにフッ素の効果なのです。
米国では水道水にフッ素を含ませたり、妊娠のときからフッ素のタブレットを飲んだりして、フッ素の摂取に対してとても積極的です。

フッ素効果の高め方

最近の歯磨き剤にはほとんどフッ素が入っています。
フッ素は、歯の再石灰化を促進し、初期の虫歯ならばフッ素によって治ってしまうのです。
そしてフッ素が歯をコーピングし、より虫歯になりにくい歯の性質にしてくれます。

口の中は、虫歯になろうとする酸(脱灰)と、それを治そうとするカルシウム(再石灰化)などが綱引きをしている状態です。
フッ素を使用することで、脱灰よりも再石灰化が優勢になり、虫歯になるのを防いでくれます。

ただし、フッ素の働きを最大限に活用するには、歯にフッ素を長く停滞させなければならず、歯磨き粉の中に研磨剤などと一緒に入ったフッ素では、うがいをすることによってフッ素も流れ落ちてしまうので、フッ素の効果を最大限に求めるのならば、フッ素だけの歯磨き粉で、それに応じた方法で使用しなければなりません
ですから使用上の注意などを歯科医院で聞いてから使用するほうが、より効果的でしょう。

歯周病を防ぐ3つの歯磨きポイント

1.ある程度の時間をかける

ある程度の時間とは、何分という絶対的な時間を意味することではありませんが、TVを見ながらとか、お風呂につかりながらでもいいので、何かをしながらのこととして、ながらブラッシングをすることをおすすめします
一日に一度は、十分な時間をブラッシングに割いてほしいですね。
その際には、歯磨き粉をつけずに、毛先で歯茎をマッサージするつもりで磨いてください。

2.歯と歯茎の境目に歯ブラシを45度に当てる

歯周病は100パーセント歯と歯茎の境目から発生します。
したがって、その部分の汚れ(プラーク)を取り除けば、歯周病にはならないのです。
歯ブラシの毛先をその部分に当てて、小きざみに歯ブラシを振動させて磨いてください。

3.歯間ブラシかデンタルフロスを使う

歯ブラシだけでは一日中磨いたとしても、歯と歯の間の汚れを完全に取り除くことはできません。
そこで、その部分の汚れを取り除くためには、歯間ブラシかデンタルフロス(糸ようじ)が必要になってきます。

これらが日常的に使えるようになるまでには時間がかかるかもしれませんが、何事も慣れるまでの辛抱です。
慣れてしまえば、たいしたことではないのですが、習慣になるまで少しの間がんばってみてください。

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