インプラントの不安・トラブル

手術が怖い・不安だという方

インプラント治療に限らず、歯科治療では、親知らずの抜歯や歯周病の治療時に、たびたび外科処置を行います。
外科処置の説明をさせていただいた患者様方の多くが、よく口にされるのが『不安』です。(ここでは手術自体の不安について書いていきます)

これまで当院の患者様が外科治療前に口にされた不安

  • 痛そう
  • 歯ぐきを開けるなんておそろしい
  • 怖いから、全身麻酔でやってほしい
  • 骨を削るのに抵抗がある

こういった患者様方の中には当然、外科処置を選択しない患者様もおられます。
また、不安を乗り越えて、外科処置に望まれる方もいらっしゃいます。
手術が怖いと言う気持ちは、こういった不安から生まれてくるものだと思います。

これらの患者様の不安を取り除く努力を当院ではおろそかにするつもりはないですが、どうしても無理なものもあります。(例えば、外科処置を行うのに、歯ぐきを開けずに行うことはできません。)

私たちスタッフは、『○○先生であれば、どんな治療でも安心してお任せできる』と思っていただけるような言動を心がけております。
仮に、外科処置を行う歯科医師を患者様が信頼できない場合、当然怖いですし、そもそもその医院で治療を受けようとは思われないでしょう。

逆に、患者様が本当に心から信頼している歯科医師であれば、外科処置を行う際にも過剰な不安は感じられずに済むのではないかと考えております。
また、笑気ガスや静脈内鎮静法という、ガス吸入や薬物投与で痛みを気にならなくして外科処置を行うという方法もありますが、当院では行っておりません。

これらを行う麻酔医を常駐させるのが難しい、というのはもちろんあるのですが、そういった薬物を使って事故なども起こりうるので、処置に直接関係のない薬物は極力使わない方が良いだろうと考えております。
また、一診療所では、そういった薬物での万が一の事故のときの対応など、後手後手になってしまう恐れもあります。

ただし、外科処置はするつもりがあるけれども、どうしても不安が拭い去れない、このままでは処置できそうもないという方は、大学病院などの総合病院で全身麻酔や笑気ガス・静脈内鎮静法などを使用して外科処置を行うこともひとつの選択肢だと考えております。
その際は、当院より適切な診療科を紹介させていただくことになります。

インプラントそのものに不安がある方

近年、インプラントのトラブルが多く知られるようになって来ました。
その影響か、インプラントそのものが大丈夫なのであろうか、と考えられている患者様が増えてきています。

インプラントの成分・組成について

インプラントは純チタン製で、人工関節や心臓ペースメーカーにも使用されているような素材と同じものです。
骨と強固に結合し、アレルギーの方もほとんどいない、軽くて丈夫な金属です。
チタンとインプラントの歴史も約半世紀と長く、インプラントの素材としては申し分なく、まったく問題ないものと言っていいでしょう。

ただし、当院では未使用ですが、HA(ハイドロキシアパタイト)をコーティングしたHAインプラントは、チタンインプラントに比べて予後が悪くなりやすいため、注意が必要です。

※参考記事 インプラントとは(チタンの特徴やHAインプラントについてなど)

お口の環境について

チタンは、他のどんな金属とも違って、骨と結合(オッセオインテグレーション)する性質があります。
人工関節や歯のインプラントは、チタンだからこそできる治療法です。
そのチタンをお口の中で作用させるのですが、インプラント治療の大きな障害が2点、お口の中にあります。
1つ目が、『お口の中には菌がたくさんいる』、2つ目が、『かみ合わせによる力が強くかかる』ということです。

口を含む消化管内は、体外に分類されるため、菌数が多い

口は胃や腸につながる消化器官です。実は、口~大腸の消化管の内部は体内ではなく体外とされています(体外とつながっているため)。
体外である、消化管に特徴的なことのひとつに、菌がたくさんいる、ということがあります。

それでも、チタン自体、ほとんど劣化したりはしません。
ただし、チタン表面に菌が付着してしまうことはあります(チタン表面の感染)。
感染が深部に及んでしまった場合、インプラント周囲の骨に炎症が起きて、溶けていくことがあります。

かみ合わせの力は、ほぼ体重並みかそれ以上

また、かみ合わせの力は体重と同程度です。
これが、夜間の無意識下でのはぎしりやくいしばりとなると、5~6倍の力になると言われています。
この力はかなり大きなものであるので、正しいかみ合わせを作ったインプラントでも、はぎしりやくいしばりがあるとダメージを受けることがあります。

歯のインプラントはこういった苛酷な環境で機能していく必要があります。
このことを術者も患者様も強く認識しておく必要があると考えております。
しっかり認識してさえいれば、対策は十分にとれるし、対策が取れないほど過酷な状況であれば、インプラント治療は回避するべきです。

インプラント治療自体は、正しく使えばチタンの能力をフルに発揮できる、すばらしい治療法です。
ただし、間違った使い方をすると、まず上手くいかない、難しい治療法でもあります。
患者様方は、インプラントそのものがどうだ、というよりも、インプラントを正しく使用しているかどうか、が重要だとお考えください。

インプラント弱点・欠点・失敗例

インプラントの技術というのは各メーカー・歯科医師の努力の賜物で日進月歩しております。
ブリッジや入れ歯に比べて、かなり機能的なものといえます。

インプラント周囲炎の治療

インプラント周囲炎は、最も多いインプラント治療のトラブルで、インプラント完成後に、支えである骨が溶けていく現象です。
歯の周りの骨が溶けていく歯周病に似ていますが、インプラント周囲炎のほうが進行・悪化しやすいのが特徴です。

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