歯を抜きたくない方へ

抜かない矯正で知られる当院ですが、一般治療においても、ただ単に虫歯の治療、つめものの治療だけではなく、インプラント治療や歯周病の先進医療を含む、より難易度が高い治療も行っております。
中でも、歯を抜かなくてすむための技術には、特にこだわっています

インプラントは、正しく使えばすばらしい治療法ですが、健康な天然の歯には絶対に及びません
実は、他院さんで、抜歯診断が下った歯でも、根の治療・歯周病治療をしたり、矯正の技術や、外科処置などを応用すると、健康な状態を取り戻すことができることがあります。

※参考記事   インプラント弱点・欠点・失敗例

当院の一般治療チームの治療方針

現状の状態が良くない歯に直面したとき、

1.歯科用CTレントゲンで徹底的に診断

2.技術を駆使すると残せる可能性がある場合は、その説明

3.最終的に抜歯するかどうかは、患者様に選択していただく

※抜歯治療を選択した場合、インプラント・ブリッジ・入れ歯からの選択となります

→ インプラント・ブリッジ・入れ歯のページ

そもそも、抜歯の診断が下る歯とは??

  • 虫歯が進行しすぎている
  • 歯周病が進行しすぎている
  • 歯が割れている(歯根破切)
  • 神経を取ったところから歯の周囲に感染が大きく進んでいる(歯根のう胞etc)
  • 歯の内部に穴があいて、そこから歯の周囲に感染が進んでいる(穿孔)
  • 歯の根っこが吸収して短くなってきている(外部吸収)

他にもありますが、これらがほとんどだと思われます。

こういった状況になると、歯だけでなく、歯の周囲にまで感染が及んでしまいます
その感染による炎症が、治癒しない環境がつづくと、感染源である歯は、体の免疫の働きで体から排除される方向に向かいます。

まず、歯を支えている骨が溶けてきてグラグラしてきます。
それをそのまま放置しておくと、骨が大きく溶けてしまい、いろいろなトラブルをひきおこします。
それを防ぐために、抜歯診断が下ることになります。

『抜歯は感染を取り除く最終手段』

当院でも、治癒見込みのない歯は感染をそれ以上広げないために、当然抜歯診断をいたします。
が、ある特殊な治療法をうまく使うと、通常の治療法では治癒しなかった歯も治癒することがあります。

そういった場合、まず歯科用CTレントゲン装置を用いて、3Dレントゲンを撮影させていただきます。(撮影・診断料合わせて1,100円)
歯科用CTは、医科用CTに比べて被爆量が少なく、0.1ミリという薄さでスライスしたレントゲンをみることができるので、非常に細かい診断ができます。

歯科用CT装置

CT画像・分析

CT診断後に、良い状態で歯を保存できる可能性がある、と判断した場合には、極力抜歯を避けるような治療方法をご提案しています。

当院で行っている、歯を残すための特殊な治療法のご案内

ヘミセクション・トライセクション法(根の治療)

根が複数ある奥歯で、1本の根だけ状態が悪く、他の根は問題ない場合に、状態が悪い根だけを切断して抜歯する方法。
他の根は残るので、その後差し歯を作ることができます。

トライセクション前CT画像

○の根が状態が悪く、他の2つは問題ない状態

トライセクション後CT画像

切断して部分的な抜歯を行い、残りの2つの根に歯を立てる

歯根端切除術(根の治療)

根の先端の治癒が悪いときに、外科的な方法で、直接根の先端を清掃し治癒させる方法。

意図的再植法(根の治療)

根の先端の治癒が悪いときに、一度抜歯をして歯と骨をきれいに清掃後、再び骨に歯を戻す方法。
歯根端切除術ができない場合に行うことが多いです。

ルートセパレーション法(歯周病治療)

清掃器具が全く届かない、根と根の間(根分岐部)に限局して歯周病がある場合に、2つの根を分離して、清掃ができるようにする方法。
治癒後は、それぞれに差し歯をすることになります。

ルートセパレーション術前

根と根の間の歯周病(根分岐部病変)で、骨が溶けている。

ルートセパレーション術後

根と根を分離して、清掃できる状態にすることで将来的な抜歯を防ぐ

 

エムドゲイン法(歯周病治療) 先進医療指定

部分的に歯周病がかなり進行して、通常の清掃では、感染が除けない場合の治療法。

外科的に感染を取り除き、エムドゲイン(若いブタ由来のエナメルタンパク)を作用させると、セメント質→歯根膜→骨の順に歯周組織を再生させる能力があります。
エムドゲインは、当院の使用インプラントのメーカーでもある、スイスのストローマン社からのみ、発売されています。

GTR法もセメント質を再生させる能力がありますが、エムドゲイン法によってできたセメント質のほうが、歯の象牙質との接着能力が高いと言われています。
当院では、エムドゲイン法を行う際に、人工骨を併用したり、GTR法を併用することがあり、より確実に骨の再生が起こるように取り組んでおります。

エムドゲイン術前

矢印部分の骨が溶けている状態。部分的な重度歯周病。

エムドゲイン術後6ヶ月(人工骨併用)

矢印部分に緻密な骨が再生している状態。

エムドゲイン術前2

エムドゲイン2オペ直後(人工骨・メンブレン併用)

GTR法(歯周病治療)

部分的に歯周病がかなり進行して、通常の清掃では、感染が除けない場合の治療法。
外科的に感染を取り除き、特殊な材料(膜状のもの)を用いて、骨が再生するスペースを確保することで、セメント質→歯根膜→骨の順に歯周組織を再生させます。

現在は、より易しいエムドゲイン法が進化してきているので、GTR単独で行うことはほぼなく、エムドゲイン法と併用することがあります。

GTR術前

部分的な歯周病で矢印の歯の周囲の骨が溶けている

GTR術後6ケ月

処置後6ヶ月。骨が再生し、健康な状態に戻ってきている

エキストルージョン(小矯正)

虫歯によって歯が小さくなって歯茎の中に歯が埋もれてしまった場合の治療法。
埋もれてしまった根っこを数回かけて引っ張りあげる方法です。安定後、差し歯をします。

治療前

虫歯を取ると矢印あたりまで歯がなくなることが予想された。このままでは歯が埋もれてしまい、差し歯を作るための型が採れない。

治療後

埋もれていた歯を引っ張りあげた状態。きれいに見えるようになるので、差し歯作製のための型を精密に採れるようになる。

アップライト(小矯正)

倒れてしまった歯を起こす治療法。
抜歯後放置などで、倒れてしまった歯を元の位置の近くまで起こす方法です。

レントゲン写真(奥歯2本が倒れている状態)

奥歯を一本抜歯したまま放置したケース。奥歯2本が倒れてきている。このままではもっと倒れてしまい、咬み合わせなどが大きく狂うことになる。

レントゲン写真(ゴムで引っ張り起こした状態)

奥歯2本を後方に起こした状態。右全体のかみ合わせの改善。

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