院長の教育方針3

性格の違いで注意の仕方を使い分ける

「人を見て法を説け」という諺がありますが、スタッフによって、教え方や注意の仕方も変えるべきです。
十人十色で、同じ注意をしても、その話の受け止め方は全員違うのです。
1,2度の注意でも、とても愚直に受け止める人もいれば、10回注意しても右から左に抜けてしまう人もいます。

これは生まれ持った性格や、育った環境で決まっていますので、入社後に変えさせようとしても無理なのです。
生真面目な性格の人間は、こちらが軽い気持ちで注意しても、必要以上に重く受け止めますから、注意する時にも十分気をつけて注意しなければ、仕事をする際に萎縮してしまいかねません。

一方、何度注意しても右から左に抜けてしまう呑気なタイプの人間には、折に触れ常に注意していかなければなりません。
こういうタイプの人は、注意されてもあまり応えないので、クリニックの中での怒られ役の役目を担ってしまう場合もあります。

このタイプの人間がスタッフの大半を占めると、院長の気苦労は絶えませんが、1人か2人ぐらいいるのには、時にふれ注意することで、クリニックの緊張感が保てるので、ある意味必要なことと割り切ることも大切でしょう。

同じように注意しても、すぐに落ち込んで重く受け止めるタイプの人は、注意の方法も十分気をつけないと、こちらの意図以上に、注意したことがトラウマのように頭を支配してしまいます。
重く受け止めるタイプの人には軽い注意で、呑気なタイプの人には重い注意をしていくべきです。

叱るVS誉める

社員やスタッフの教育に関して、誉めるべきか叱るべきかという事が必ずテーマになります。
そしてその割合はどのくらいがいいのかという事も議題になります。
最近私が感じるのは、教育って、頭で考えるものではないように思います。

叱りたいときには、叱ればいいので、いつも誉めていたのでは相手は勘違いをしてしまいます。
私自身、頭では誉めて育てるべきだと信じていても、子供にもスタッフにも、時々爆発しています。

必ずしもいいことだとは思いませんが、いい子供になってほしい、社員を成長させたい、いいクリニックにしたいなど、自分の思いと相手の言動にギャップがあるからイライラして叱ってしまうのであって、教育の調味料としてはいいのではないかと思っています。

しかし、年がら年中叱っていて、相手がこちらの顔色を見続けるような関係になるのは、自主性が失われているという点は問題があるので、そうならない為に気を付けてはいます。

初めに厳しく接するべし

新しいスタッフが入社したら、入社する人間も雇う人間もお互いに得体の知れない者同士で、様子を伺いあっています。
雇う方は、この人間の性格はいいのかな、仕事はできそうか、長続きしそうか等々・・・。考えることはたくさんあって、新しい人間がいるだけで、ストレスになってきます。

しかし、せっかく入ってもらったのに、すぐに辞められたら困るので、入社当初は優しくして、慣れた頃に言いたいことは言おうと考えます。
しかし、これが大きな間違いなのです。
初めに優しくして後で厳しくするから、スタッフにしたら「話が違う」「急にそんなこと言われても困る」など不満が出てくるのです。

結婚前にいいことを言っておいて、結婚後には急に厳しくなれば、けんかにもなるでしょう。
初めに厳しく言っておいて、それを納得してくれている人間だと、後々はけんかも少なく楽なのです。
一般的に「モテル」男性は、結婚前に自分の欠点など言いにくいことでも先に言っておきますが、「モテない」男性は、ふられるのが怖いので、結婚前には悪いことは言いたがりません。

クリニックにおいても、募集して応募者がよく集まるクリニックでは、前者のように初めに厳しくできるので、最終的にいい人間がどんどん残って、スタッフに恵まれたクリニックになります。
一方、募集を出してもなかなか応募がないクリニックでは、せっかく応募してくれた人間を、辞めないようにすることばかりに気がいって、言いたいことも言えない、子供を甘やかす親のようになってしまい、後からも急に思ったことを言えるはずもなく、質の悪いスタッフばかりのクリニックになってしまうのです。

わがままな子供になるのは、言うべきことを言わない親にも責任があるのです。辞められて困るからと、わがままにさせておいては、いいスタッフになる訳ないのです。
今は、ぎりぎりの人数で、どうしても言うべきことも言えないように感じてしまうのであれば、1日も早く、駄目なスタッフに辞められても困らないように、少し余裕を持った人員を確保できる体制にしていく努力はしていくべきでしょう。

優秀な人間だけを残すには初めに厳しいことを言う

多くの院長は、自分のクリニックのスタッフの質が良くない、レベルが低いと嘆いています。
しかし、院長のほうにも少し問題がある場合もあるように思います。
それは、面接の時や入社した試用期間に厳しいことを言ったり、厳しく指導をしていなければ、その社員は、仕事を甘く考えてしまいます。

面接の時に「私のクリニックは、こうこうこういう点で厳しいですよ。それでもいいですか?」という、説明をしても、入社を希望してくる人間は、まず優秀な人材である可能性が高いです。
また、入社したての何も分からない時から、厳しく接しても辞めずについてくる人間は、将来的にも大きく成長するでしょう。

多くの歯科医院では、せっかく採用した社員に、すぐ辞められたら困ると考えますので、初めに甘い顔をして、クリニックのレベルを下げてしまっているのです。
鉄は熱いうちに打たなければなりません。
教育というのは、なるべく早い時期に厳しく接することが大切になってくるのです。

いいスタッフを集めるための環境作りとは

歯科医院にいい人材が集まらない理由に、社員を採用するタイミングが、必要に迫られるギリギリだということが大きな要因のように思えます。
引継ぎのことを考えても、退社する人とダブル期間が1ヶ月もない場合が殆どでしょう。

歯科医院においては、人員的に余裕を持った状況にするクリニックが殆どなく、退社ギリギリでの採用になる為に、取り急ぎ採用するという形になってしまうので、十分吟味して思うような人を採用することができないのです。

そして採用してからも、試用期間があったとしてもその人の能力を判断する頃には、すでに前のスタッフは辞めてしまってるので、能力的に劣っているとわかっても、辞めてもらう訳にはいかなくなっているのです。
この悪循環で、能力のあるスタッフを集めることができなくなるのです。

一方、余裕を持った採用形態を取れるところでは、入社してもしなくても困らない状況で人を採用できるので、本当にいいと思える人材だけを採用でき、試用期間中もその人を十分に把握し、厳しく教育することができるので、どうやったっていい人材しか残らないようになっているのです。

そういう善循環でまわせるクリニックになれる為には、1にも2にも売り上げを上げて、スタッフを余裕を持って採用できる状態にする努力が必要になってきます。

-院長の教育方針
-, ,

© 2024 南青山デンタルクリニック(東京)

無料矯正相談Web予約 ホワイトニングWeb予約 画像でのメール相談 オンラインでの矯正相談 メールでのお問い合わせ